コラム
就職活動関連

「ブラック企業」って本当にブラックなの?─仕事の学校ナビ

■ブラック企業はなぜ生まれたか

近年、流行語の一つとして話題になっている「ブラック企業」その定義ははっきりとはしていませんが、労働基準法を無視し、会社の一方的な都合で社員を酷使し、場合によっては退職などに追いつめられる会社だとされています。
ただ、かつて流行した「24時間、戦えますか?」のテレビコマーシャルに代表されるように、日本には長時間労働を美徳とする文化が従来からありました。しかし、年功序列による賃金体系や終身雇用制度、福利厚生の充実など、長時間労働という「ムチ」に対する「アメ」が用意されていたことから、社員はモチベーションを維持できていたのが実情です。
その後、経済情勢の悪化により、企業側はコスト削減を迫られるようになりました。多くの企業は労働条件の緩和、効率化による時間短縮などを図って労使関係――つまり「ムチ(労働)」と「アメ(報酬・休養・経験)」のバランスを取るように努力を払ってきましたが、他方、そうした労使関係のバランスを踏みにじり、半ばハラスメントまがいの雇用環境下で社員を酷使する一部企業の行き過ぎた問題行為が取り沙汰され始めました。
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■定義の定まらないブラック

ただし、「ブラック企業」という言葉は主観的な要素が強いため、聞く場合でも使う場合でも、注意が必要です。例えば、労働基準法の順守を前提に、長時間におよぶハードワークとそれに見合った報酬を支払う企業であった場合、「ハードワークを課すブラック企業」と取るか「厳しい経験を経て社会人としてのレベルを大幅に上げ、大きなリターンも得られる優良成長企業」と取るかは人によって異なります。その意味では、人と人の関係と同じように、人と会社の労使関係にも個々人の相性というものがあり、「ブラック企業」「優良企業」の在り方や考え方は一概には言い切れないのが実情です。
そこにこそ、「ブラック企業」という言葉の最大の問題点があります。「ハードワークを課す企業はブラック」「若手に大きな仕事を任せない企業はブラック」といった具合に、周囲から聞こえてくるあらゆるブラック企業の定義や風聞をうのみにしていては、世間のありとあらゆる企業が「ブラック企業」に見え、どこにも就職できないという事態になりかねません。
だからこそ、就職活動では、表面的な情報や噂話にとらわれずにしっかりと企業研究を行い「自分に合う・合わない」を身長に見極めていくことが重要です。
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■企業から「若者を大切に」の声

就活生が入社前に「ブラック企業」であるかどうかを見極めるのは簡単なことではありません。そんな中、公的・民間機関の審査を受けて非ブラック企業の「太鼓判」をもらい、若者にアピールする企業の姿も見られます。
例えば、厚生労働省は2013年4月、若者を積極的に雇用・育成する企業を認定する「若者応援企業宣言」をスタート。これは、新卒社員の採用実績や定着率の情報開示を求めるなどの基準をもとに、厚生労働省が審査を行うものです。この認定企業はいわば国家が「若者を大切にする企業」だと“お墨付き”を与えたということであり、就活生にとって企業選びの大きな指針の一つになっています。このほかにも、優良成長企業認定員会(イノベーションズアイ運営)では、若手社員の失敗を清朝の機会ととらえる社風を備えた企業の情報を発信しています。
(記事作成:2015年10月)